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万引きで店長室に呼ばれました

オレ日記 ゆーき

ふー! ふー!!


ふー! ふー!!


今、これを書いているのは4日の21時です。
実はつい1時間前に、万引き犯を捕まえちゃったのです。
それで今も興奮が鳴りやまないわけなんです。


万引きGメン、ゆーきです


喉が渇いたので、ジュースを買おうとしたのですが財布には万札しかありません。
なので、もちろん自動販売機でジュースを買う事が出来ませんでした。
しかし丁度、目の前にスーパーがあったのです。


あ、財布に万札しか入ってないってのはカッコ良く聞こえますが
次の給料までの最後の万札ですからね。


喉がカラカラなので、普通ならばジュース売り場に直行なのですが
なぜか足は野菜売り場に向かったのです。


そこでゴーヤチャンプルの素が視界に入り込んできました。
あんなエロ野菜なゴーヤなんて大嫌いなのですが。


というのも、ゴーヤは売り出しで298円だったのですよ。
しかしゴーヤチャンプルの素は398円だったのです。
ゴーヤ本体よりも儲かりよるじゃないですか。


ゴーヤがあっての貴様なのにそれはあり得ない。
それがゴーヤチャンプルの素に引き寄せられた理由でした。


暫くそれに見惚れていると、視界にある買い物客の姿が目に留まりました。
ピーマン売り場を見つめる、黒い帽子を被ってソワソワしている50歳くらいの男性が。


一見、普通の買い物客です。
カゴの中身が、清算済みのビニール袋だけだという点を除けば。


僕はそれをちょっとだけ不思議に思いました。


例えば、レジで清算後、買った物をビニール袋に詰めますよね。
そしてプラスティックのカゴは所定の場所に戻すじゃないですか。


でもこの中年は、清算済みの袋をまたカゴに入れているんです。
そしてピーマン売り場の前でキョロキョロしてるんです。


買い忘れがあったのかも知れません。
レジで支払い後に思い出す事も良くありますから。


でもピーマン如きで、わざわざ再度カゴを手にしますか?
どんだけ買い忘れたんだって話ですよ。
今宵はアホみたいな量のチンジャオロースを作るのかって話ですよ。


そんな疑問を感じながら、僕はまたゴーヤチャンプルの素を見つめていました。
すると、ピーマン売り場からビニールが擦れる音が聞こえてきたのです。


視線を中年に戻すと、さっき以上にソワソワしているのです。
おならをしたらウンコ出ちゃったくらいのソワソワ加減なんですよ。


そして視線をちょっと下に落とすと、ビニールめっちゃ大きくなってる!


その時点で僕は察しましたよ。
この中年は、万引きをしてるって。


でもまだ注意する事は出来ません。遠足は家に帰るまでが遠足です。
万引きは店を出てからが万引きです。


それに、僕は注意するつもりもありませんでした。
別に店側の人間でもないし、万引きしてようとされてようと僕には関係のない事ですから。
ただその現場を目撃出来た事が楽しかったのです。


向こうも僕に気付いたらしく、僕をチラチラと見てきます。
私服警官や万引きGメン、キムタクやイッチーとでも思ったのでしょうか。


僕が視線を逸らしたり、場所を離れたりする度にビニールの音がガサガサ。
「それ以上はバレるって」と注意したくなるくらい、ビニールの限界まで詰め込まれていました。


さて、ここで僕はどうあるべきか。


確かに僕には関係ない事だ。でも注意しなくていいのか。
店の味方をするべきか、中年の味方をしてやるべきなのか。
僕は悩みました。


そこで気付いたのですが、このスーパーは安い。
肉とか魚が他のスーパーに比べて、めっちゃ安い。
次にバーベキューとかする時にはここで買おう。


その瞬間、僕の中でこのスーパーが「正義」となりました。


僕は商品の陳列をしているバイトを捕まえ
その中年の怪しさを伝え、目を光らせておくように忠告しました。


そして自分の買い物を済まし、店を出て、車に乗り込もうとした瞬間。
店員が僕の方へ走って来ました。


「すみません! ちょっといいですか!?」


「え? どうしたの?」


「ちょっと店長室まで来てほしいのですが!」


「ちょ! オレはゴーヤチャンプルの素なんて万引きしてない!!」


「いや、やっぱり万引きだったんです!」


話を聞くと、どうも現場を見ていた僕に状況を教えて欲しいとの事。
僕は渋々、店長室に向かったのですが、そこには例の中年がうな垂れていました。
そんな場所に僕を同席させるなよと。


「せめてお名前だけでも」って、犯人の前で名前なんか言えるかって話。
逆恨みされたらたまったもんじゃないし。


10分くらい状況を話して、さっさと帰ろうとした時でした。
店長が「お礼にこれでも」と何かを差し出して来たのです。


現金キターーーーーーーーーーーー!!
次の給料日まで楽になるーーーーーーーーーー!!


と思ったのもつかの間、差し出されたのはコーヒー1本でした。
しかも破損して缶がボコボコのやつ。


このスーパーは今度から「敵」だ。
いや、別に見返りを求めてたわけじゃないけど、何となく敵だ。


ちなみに中年が盗んだ物は、黄色いピーマン4袋でした。
やっぱりアホみたいな量のチンジャオロースを作るつもりなのか。


たかだか1000円にもならない物を盗むんじゃないよと。
そんな金額で人生を棒に振るんじゃないよと。


どうせ盗むなら、もっと凄い物を盗めよと。
僕の心を盗んでくれたら抱かれてやってもいいのにさ。


投稿日: 2008年06月06日

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