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マナーかな

オレ日記 ゆーき

マンモス下痢ピーのゆーきです
今月のラッキーアイテムは「パックラドンカルメ」だと言われました。

いやぁ、パックラドンカルメを食べに、連れと共にマックに行ったんですよマックに。
今のマックって24時間営業なんですねぇ。

24時過ぎ頃にお腹が減ってですね。
そんな危険な時間にマックが食べたくなってですねぇ。

初めての経験だったんですよ、夜中にマックに行くのは。
これがホントの「処女マック」だったんですよ。

24時間営業なんて、誰も夜中にハンバーガー食べねえだろうと。
アメリカ人だって、夜中にお腹が減ったら軽いものを食べるぜ。
ヒガシマルの“ちょっと雑炊”あたりを。


そう思ってました。


しかしマックの前には大量の自転車。
そうです、店内は満員も満員、激☆満員だったのです。
大学生と思われる客でいっぱいだったのです。

お前らそんなに照り焼かれた肉を食べたいのかと。
もしくはお前ら全員、夜勤かと。

カウンターで照り焼かれた肉セットを受け取って
空いているテーブルを探していた僕は唖然としました。


こ、こいつら勉強してやがる・・・ッッ!!


しかも誰一人として照り焼かれた肉を喰ってない・・・ッッ!!
眠気を覚ます豆の汁だけ頼んでやがる・・・ッッ!!

きっとマックからすると、大した売上にはなっていないでしょう。
売れたのはコーヒーだけなのですから。

学生は大変だなーと思っていたのもつかの間
その感心は怒りへと変わりました。


席が空いてねぇ・・・ッッ!!


そうなんです、その学生共がテーブルを全て占拠していたのです。
4人掛けのテーブルの上には広げた参考書の山
つまり4人掛けのテーブルを1人で使用しているのです。


自宅か!? ここは貴様らのリビングか!?


中には参考書でテーブルを占拠したままで誰もいない席も!!
ご予約席か!? 貴様ら今日は結婚記念日か!?

もうこの時点で僕の怒りは(アズ)マックスですよ。
イライラレベルはすでにマックス(ナナ・レイナ・リナ・ミーナ※産休中)ですよ。

何とか2人掛けの席が空いていたから良いものの
もし僕が団体客で来ていたら血の海ですよ。もうポテトの海ですよ。
鼻エンピツならぬ「鼻ポテト」ですよ。

まぁそこは我慢して席に着いたのですが
何か異様な雰囲気なんですよね。

まるで僕たちが図書館に食べ物持ち込んでるみたいな。

シーンとした変な空気なんですよね。
音立てたら怒られちゃうんじゃないかと思うほど。
もう食べにくいったらありゃしない。


その時でした。


僕らの席はカウンターが見える位置にあって
そこで注文を受け取ったお爺ちゃんの姿が視界に入ってきました。

マックってそうじゃないですか。
ドアを開けたらすぐにカウンターで、先に注文して席を探すじゃないですか。
そのお爺ちゃんも例外なくそうだったのです。

コーヒーの載ったトレイを両手で抱え、席を探すお爺ちゃん。
しかし席は既に満席で、空いている席はどこにもありません。

いや、正確に言えば“空いている”席はたくさんあるのです。
しかし正確に言えば“空いている”席はどこにもないのです。

しかも通路には立ち話をしている若者が邪魔をしています。
もうお爺ちゃん、借りてきたお爺ちゃんみたいにそわそわ。

いわゆる頑固オヤジなタイプではないのです。
何かこう、気の弱そうなお爺ちゃん。

何とか一番奥の席が空き、嬉しそうな表情のお爺ちゃん。
しかし通路では立ち話、テーブルのイスは引きっぱなし。
だからトレイを持ったお爺ちゃん、その席まで辿り着くのに一苦労。

もう何か悲しくなってですね。

時間はもう25時前ですよ。
普通のお爺ちゃんだったら、とっくに寝ている時間なんですよ。



そのお爺ちゃんは、息子夫婦から邪魔者扱いされて
今は市営団地で1人でこっそりと暮らしている。

4畳半に置かれた古いタンス。
その上に飾られた写真でしか、孫の顔すら見る事は出来ない。

半世紀以上前に生を授かり
青春時代は兵隊として、目の前で地獄を見た。
敗戦の貧しく辛い日々を過ごし、今の明るい日本を作り上げた。

初恋の相手は空襲で亡くし
働いていた町工場の娘と恋に落ちた。

やがてその娘は小さな命を宿し
それは元気で逞しい男の子へと育った。

自分に学が無いからと、息子だけは高校・大学へ行かせたいと願い
昼夜構わず、まるで機械の様に働いた。

息子も二十歳になり、綺麗なお嫁さんを紹介されたのは正月の夜。
その日が初めて息子と飲み明かした夜だった。

そして次の日、最愛の妻が過労で倒れた。
介護の甲斐なく、その日の内に帰らぬ人となった。

彼は泣いた。涙が枯れ果てるほど泣いた。
仕事にも身が入らず、酒に溺れて、毎晩朝まで飲み明かしていた。

やがて仕事も休みがちとなり、事実上のクビとなった。
それがアルコール依存症への始まりだった。

それはある日の事だった。
いつもの様に千鳥足で家に帰ると、そこに息子夫婦の姿は無かった。

置き手紙によると、アルコール依存症の彼に息子の嫁が嫌気を差していたという。
息子は彼との別居に反対したが、嫁は離婚を盾に譲らなかった。

そして彼は1人になった。

家族の為にと何十年と働いて手にした一軒家。
しかし1人で住むには淋しいくらい広い。

そこで彼はその自宅を知人に譲り
自らは市営住宅で生活する事を選んだ。

手にしているのは、毎月入ってくる少しばかりの年金。
そして家族との思い出。

アルコールはもう捨てた。
しかし幸せだったあの日々はもう二度と帰って来ない。

1人暮らしにはもう慣れたはず。
そう思っていたが、この年齢になっても淋しいものは淋しい。

そんな時に浮かんで来るのは、最愛の妻との思い出。
初めてのデートで飲んだのは、アメリカから入って来た苦いコーヒーだった。

今日は、妻の命日。

妻と笑いながら飲んだあの苦いコーヒー。
彼はその味を思い出して、真夜中に家を飛び出した。



僕の妄想ですけど。



だから、そんなお爺ちゃんの思い出をぶち壊したガキ共にカチーンですよ。
これはお爺ちゃんを守ってあげないといけないと。

まずは精神的ダメージを与えないとですよ。

静かに一生懸命勉強してるから、イスを「ギーー!」としてやったですよ。
睨まれたですよ。反応ありですよ。

すると今度は罵声攻撃ですよ。
「こいつらウゼえええ!!」「帰れやコラ!!」
わざと聞こえるように言ってやったですよ。睨まれたですよ。

だから今度は写メ攻撃ですよ。
そいつらを写メ撮りまくってやったですよ。

静かな店内に響き渡るケータイのシャッター音。
「グワシャ」「グワシャ」

通路に立ってる奴には因縁ですよ因縁。
わざと「どーん!」とぶつかってやったですよ。

するとそいつが「いてっ!」と言うから


「あ?」


「あ!?」


ちょうど僕がチンピラっぽいスーツとコートの着こなししてたもんでですね。
ちょっぴり説教してやったんですよ。

するとそのお爺ちゃんが
「お宅はさっきからマナーがなってない!」


てへ、怒られちゃった。


しかもそのお爺ちゃんが飲んでたのはマックシェイクだった。
もう台無し。もう爺ちゃんマジでKY。

という事で、公共の場でのマナーは守りましょうというお話でした。


投稿日: 2008年02月08日

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